この祭は、新潟県のほぼ中央に位置する栃尾市の、市街地から南へ約7km離れた下来伝(しもらいでん)地区で、毎年3月第2日曜日に行われる早春の奇祭です。 栃尾市にはいたるところに石仏・道祖神があります。母が子を抱き、父が合唱のもの、男女が抱擁しているものなどの双体、あるいは三体の道祖神、如意輪観音、馬頭観音、庚申像(塔)などふるくから民衆に信仰されてきた神々です。 ほだれ様も道祖神の一つで、御神木の大杉の横に男根形の御神体が祀られています。この御神体は高さ約2.2m重さ約600kgで、新潟県内はもちろん日本で一番大きな道祖神かと思われます。お祭り 午前11時、ほだれ様の横にそびえる大杉(樹齢800年)に、200kgの大しめ縄が奉納されるとスタートです。大数珠くり、御神酒鏡開き、初嫁厄払い、五穀豊穣などの神事が行われます。クライマックスは、御神体の御移降です。御神体は年一回この時若者たちにより祠から外に出され、初嫁を乗せ神輿のように担がれます。「縁結び」「子宝」「安産」「子の健やかな成長」「五穀豊穣」「商売繁盛」「無病息災家内安全」、参拝者はさまざまな願をかけ、ほだれ様のご利益にあやかろうと手を伸ばします。 祭の原形は、すでに江戸時代の前からあったといわれています。当時御神体は石でできた男根形のもので、祭の日には御神体前の広場に村中の者が集まり、若い衆の法螺貝や太鼓にあわせて大数珠をくり、村中を巡りました。数珠くりを休むと災いが起こるといわれていました。 ほだれ・・・男の局部という説もありますが、「穂垂れ」で稲や粟の実りを形容する言葉といわれています。 参拝者には、富くじ、福餅の餅つきなどのほか、栃尾名物ジャンボ油揚げや栃尾てまりなどのお土産コーナー、地酒、あま酒、かじか酒などの美味コーナーが用意されています。 |