当期における我が国の経済は、米中間の貿易摩擦等により緊張感が高まりましたが、好調な米国経済を背景に全体として緩やかな成長が持続しました。また、今期の欧州では、輸出の停滞に伴い、成長が鈍化しましたが、新興国については、中国において政策による一定の下支えがありましたが、米中貿易摩擦の影響もあり景気減速となりました。一方、ブラジルでは新政権下で景気が持ち直しつつあり、またロシアでも輸出の回復によって景気は下げ止まっています。国内では、製造業の活発な生産活動に加え、好調な企業収益を背景に設備投資と個人消費が堅調に推移しました。

新潟県内においては、個人消費・物価は、緩やかに成長しており、雇用についても改善傾向が続き、中小企業においては人手不足の状態になっております。企業の景況感は実感に乏しく感じられますが改善の動きがみられ、設備投資も回復し、緩やかな右肩上がりで推移した1年でした。

さて、当組合も昭和63年に創業して早いもので本年33期を迎えますが、創立5年目までは組合員拡大に努め、それ以降毎年会員数が増え、現在組合員数は約2700社になり、安定した組合運営と地域の活性化事業など積極的に行うことが出来ました。これまでには地域社会の方々や、新潟県中小企業団体中央会より高い評価を得て、県知事、中小企業庁長官、全国中央会より表彰を引き続き受けるまでに至り、県内トップクラスの協同組合となっております。
この度政府は、10月より消費税を8%から10%に引き上げることを発表しており、高速道路料金の値上げが予想されます。しかし、組合としましては、これまでの潜在能力を活用して、組合員のためになる運営や地域が元気になる役立つ事業に取り組む所存であります。

当組合は30数年の歴史を経て、現在の組織、規模、財務内容といい地域における評価、さらに決断の早い組合として大きな特長を持って安定した組織に育ってまいりました。一方、昨今の自民党1強の政治は、ひずみを生み、政界の混迷は、経済の基盤を揺るがしかねない状況となってきており、今までの延長線上で考えれば先行き厳しいものであります。しかしながら、これまで構築してきた全県下のネットワークを生かした「情報」という社会資源と組合員皆様と知恵を出し合うことにより、さらに協同組合として重要な役割を担うことが出来るものと確信しております。

最後になりましたが、私、佐藤健之は組合の創業からこの組合に係わり、今日まで理事、理事長として皆様のご理解、ご協力の下、26年間務めさせていただきましたが、今期をもって理事職を退任させていただきます。長い間、皆様に大変お世話になりありがとうございました。

7月より新体制で若いエネルギーと新しい感性をもって組合の相互扶助の精神を大切に、共同支払事業はじめ情報交換など異業種交流を積極的に行い、組合企業はじめ地域の方々にお役に立てる努力をしてまいりますので、今後共変わらぬ御指導、御支援をよろしくお願い申し上げご挨拶と致します。

令和元年7月吉日

佐 藤 健 之